表情(一次創作 詩070)
もういいでしょう
わたしも少しばかり
疲れてしまったんですよ
ここいらで休憩しませんたか
だいぶ頑張りましたから
やすむことも必要です
実はもうだめだと思っていました
いえ実際
だめなんですけどね
そんな奇異なものでも見る
視線はやめてくださいよ
あなただって
同じ表情しています
「けものに至る病」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説
こんばんは
今日は午後になって調子を少し取り戻した、それでも暑くてふぎゃあなともみです
えーっと、今回は
Twitterの方と、ねこみみさんがサーバー主のDiscordに載せました、姫王子の小説になります
まあ、おんなじなわけですけど、ちっちゃい字で読みにくいより、ここにも載せてひろびろーとした方がいいかなあ、なんて
おんなじネタで繰り返すの、なんか前にもありましたね
お許しください
ではでは、前置きはこんなもんにして、スタート!
「けものに至る病」
戸惑うように、王子は微笑んだ。だけど視線は、まっすぐにわたしを捉えてくれている。
「大丈夫だよ。心配性なんだなあ」
「うん……。かな?」
「死んじゃうわけじゃないんだから」
「だけど。わたしのせいだよ」
柔らかく王子は笑った。
「違うよ、姫のせいじゃない。どうしても誰かの責任と言うなら」
「うん」
「ボクたち、ふたりだよ」
「ん……」
とある朝。王子が少量だけど吐血したの。隠しておきたかったみたいだけど、わたしがお城のお小姓さんにすぐに連絡して。即日に検査を受けたのね。城内にある医務室で、可能な限りの精査をしてもらって。その間わたしはもう、気が気じゃなかった。
そして、お医者さまが言うには。
「生命に関わるご病気ではありません」
「よかったー」
わたしは息をついたんだけど。
「ですけれども……」
「教えてください。ボク、いやボクたちなら大丈夫です」
「はい。わたしも!」
「では忌憚なく。このままですと王子は、姫と同様、オオカミの姿になってしまうでしょう」
『!?』
「ただのオオカミではなく、その。姫と同じく、バケモノとしてのオオカミに」
「オオカミ?」
「バケモノ?」
王子とわたしは、耳を疑いつつも聞き返した。
「少々申し上げにくいですが。えー、おふたりは避妊具など使われず、夜の生活を長い間、営まれておりましたな」
「ひにんぐ?」
「えっとね、姫。そのー、ゴムのこと」
「あー!! は、はい……」
コホン、とお医者さまは咳払いひとつ。
「それによって、お子ができることは。大変に喜ばしいのです。ですけれど、王子。お口からかなり、姫の体液を含まれましたな」
わたしも王子も。お医者さまも。気まずい感じに真っ赤になる。
「それが、原因だったんですか?」
重たくちょっと恥ずかしい空気を、破るように王子が言った。
「はい。そのー、普通に性器同士でご性交されるぶんには、まずこのような心配は杞憂だったのですが。お口から体内に、長期間摂取されますと」
「オオカミ、と言うかバケモノになってしまう?」
「はい……。遠いいくつかの異国で、実例が確認されておりますゆえに。必ずとは言い切れませんが、可能性はとても、大変に高いと」
わたしと王子は、顔を見合わせた。照れてる場合じゃないと言うことが、ようやくわたしにもわかってきたんだ。わたしたちのえっちで、こんなことが起こっちゃうなんて……。
「だから、さ。とりあえずのところは、様子見してみよう」
「うん?」
「すぐに『けもの』化するわけじゃないって言うし。だけど、避けられないことでもあるから、今後のこともちゃんと考えよう」
「で、でも」
王子はやさしく、首を横に振る。
「姫が悪いわけじゃないんだって。おそらくこの国を去らないといけないことになるから。その前準備だね、必要なのは」
「おうじ……」
「そんな顔しないで、姫」
「だって、ここは王子の国なのに」
「だからだよ。だからこそ、ボクは姿を消さなきゃいけない」
「ごめん、なさい」
「ボクこそだよ。ごめんね、姫」
とうとうわたしは泣き始めた。こんな、ちょっとの不注意で。王子の運命がめちゃくちゃになって。しかもそれは、わたしの体液のせい。泣いたところで取り返しがつかないことは、わかってるんだけど。涙がとめどなく出てくる。
「姫。一緒に考えて、手伝ってくれる?」
「もち、もちろあたりまえだよお!」
「ありがとう」
やさしい王子の笑い顔。ちょっと戸惑いもあるけれど、安心をくれる最高の笑顔。わたしの泣き顔は、もっとぐちゃぐちゃになった。
「さ。いろいろ下準備とか必要だからね。頑張ろう?」
「うん……」
「そんな泣かないの」
心の隅っこには。
(王子がおんなじオオカミ、バケモノになってくれる!)
って言う、抱いちゃいけない喜びもあった。
でも、それ以上に罪悪感がつのる。
「これからも、よろしくね、姫」
「うん、わたしも頑張るから。ごめんね……」
「もう、ごめんね、はおしまい」
「うん、わ!」
王子がギュッて抱いてくれた。そのままちっちゃいキスひとつ。
わたしに。わたしに何ができるかな? 一緒に考えていかなきゃ。
たったひとりの愛している存在だもん、王子は。
それが通じたのか。もう一回、今度はひたいに小鳥さんみたいなキスをくれた。
(たぶん)おしまい
ここまでやってて、続き書くかどうか決めていません
なんとなく面白そうな感じになる気もするので、ほよほよとしつつ続きが思い浮かんだら、書いてみますねー
最後までお読みくださり、ありがとうございました
遠回りの近道(一次創作 詩069)
みじめだと思うのは
自分が越えようとする
ハードル設定を間違えているだけ
誰でも越えられる高さと間隔
それでもいいじゃない
でも
個性がなんとかかんとか
そんな言葉も聞こえそう
飛べる高さで練習してから
自分色を出すのが
遠回りでも近道なんじゃないかな
慌てる必要は無いし
無理と思うなら棄権してもいい
そうやっていままでも
越えてきたでしょ
思い出してみて
みじめなことなんて
ありはしないんだよ
放棄(一次創作 詩068)
因果応報
自分でばらまいたことだ
ここで世の中を恨みつらみ
やめておけ
みっともよいものではなかろう
恥ずかしいものだな
誇り高かったお前が
「気にしすぎてマジ病むよ」
バカか
それとも
(無理もないか)
そう慰められたいのか
阿呆らしい
死ぬならひとりで散れ
周りを巻き込むな
嗤いがつらいのなら
そのまま震えていろ
浅く遅い呼吸のまま
本懐を遂げた笑みでも浮かべて
自慰行為を続けるのか
この視界から消えてくれ
変わったのはオレじゃない
ただお前が生きることを
放棄したに過ぎん