ゲーム
前のお話はこちら tomomikoshigaya.hatenablog.com 姫とボクの 02 結局のところ、お昼ごはんはボクが作り直して。姫が作ってくれていた麦茶と一緒に、美味しくいただいたよ。「ごちそー」「さまでしたっ!」姫に合わせて、ボクも言う。ふう、おなかいっぱい…
姫とボクの 01 思えばずいぶんと遠くまで来た。姫との新天地を求めて、元の王国からだいぶ離れたこの、小さな港町。 「ここにしようよ」「森の中じゃないけど?」「んーん。近くに森も山もあるし、それに」「?」「王子と一緒だから!」 そう言った姫は、パ…
どもー、姫ッス だんだんとニンゲン文化に慣れてきて 今日は、なんとね ホットコーヒー、しかもブラックに挑戦だよ! アイスコーヒーは何回か 飲んだことある ぜんぶ、めちゃくちゃ甘くしてだけど ちょっと緊張はしてるな だから王子といっしょに ドトール入…
運命って、信じてる? ボクはもともと、それほど信じてはいなかったんだ よくさ 「運命を切り拓く」 とか、言ったりするじゃない それを聞くたびに 「ああ、まあそんな考えもあるよね」 ぐらいにしか、感じていなかった 運命って、信じてる? わたし、実はか…
いや、正直に言って わたしは子どもを持たないだろうと 漠然ではあっても、そう思っていた かつては殺戮をほしいままにした この血にまみれた魔王のことなど 好いてくれるものは現れぬものと そう思っていたからだ ものごとはわからない 人生というものもわ…
キミと星を見たいんだ 流れる星もずっと瞬いている星も みんなボクたちを照らしてくれている かそけきものかもしれないけれど そこには精一杯の思いがつまっていて ほんのりと温かみを感じないかい? 無理に話すことはないよ だってボクたちの間には いつだ…
「姫、超高難度ゲームクイズに出演する!」 司会のサカサが、ジャグリングでマイクを操り、挑戦者である姫は、気合とスタジオに満ちる照明の熱で湧いた汗を、ゆっくりハンドタオルで拭いた。その姿はいにしえの闘技場で相手を待つ、戦士のそれに近かった。意…
好きなのはね やっぱり、おとうさん 大きくって力が強くて なのに、とってもやさしくて わたしのことを、いつも 心配してくれている 好きなのはね やっぱり、パパ 伝説になって語られる それくらいにりっぱな とってもりっぱな、勇者だった きっと、やさしか…
王子、風邪をひく 「あー、あるね。熱」 わたしは横になっている王子から、体温計を受け取って言った。37,9℃と言う、ビミョーな体温。王子は少し苦しそうに咳き込んでいる。 「寒くなってきた」 咳き込みながら、ベッドの中に潜り込む王子。いつもの端正な顔…
秋雨の一日 霖雨が立ち込めるように 森に広がっている 霧のような雨に音は無く どこかぽやあんとした 眠気に近い空気が満ちる 姫はきっと オオカミの血がさせるのだろう 少々だるそうに 朝から横になっている (心配いらないからね) そう言われてはいるが …
こんばんは。 ちょっと調子の落ちてきている、まあ仕方がなきのともみです。 では、昨日のお知らせ通り。 プレゼントしました、もうひとつの方の作品をば。 誕生と言う祝福 プレゼント、よし! お花、よし! お祝いのカード、よし! 背後から、そんな掛け声…
こんばんは。 やっと秋めいてきて、心の底から嬉しいともみっす。 さてー。 Twitterのお友だち、ずいっちさんにお誕生日プレゼントとして。 詩(みたいなの)をふたつほどお贈りしたんです、ちょっと前に。 それを2回に分けて、ここに載せようかな、と。 で…
ずっとこうして、わたしたち 試行錯誤していろいろ考えてきて 協力し合ったね ボクは見えていないぶん 少しでも姫の役に立ちたかったよ 姫は最愛のひとだからね これからもきっと 悩むこと、いっぱい出てくる だけどわたしと王子 うん、ボクと姫 考えごとが…
「眠れぬ夜の過ごし方」 自分の娘、その笑顔を見るだけで、わたしはなんとも言えないやさしい気持ちに包まれる。勝ち気で無鉄砲で、まだまだ世の中を知らないゆうだけれども。だからこそ、かわいくいとおしい。 今日も、わたしの姿を見つけるなり、それこそ…
こんばんは。 2回目のコロナワクチン接種で、よけいに死にかけのともみです。 アレよね。 確かに、「2回目はキツいでー」とは聞いていましたが。ここまでとは……。 打った方の左腕は、思うように動かせないし。全身だるだるで重たいし。 ほへーですよね。 そ…
こんばんは。 早くから予約してるのに発売日に届かないと言う、なかなかに納得いかないともみです。 まー、それはともかくとして。 こちらっ! 『わるい王様とりっぱな勇者』アートブック本日発売!【1500点以上】のグラフィックスと小田沙耶佳による【1万文…
こんばんはー。 ゆうちゃんも王様ドラゴンも好きだけど、原点回帰気味に姫王子を愛してるともみでっす。 と言うわけでして、今回も公式イラストからのご紹介。正確には、公式ツイートからのイラスト、ですけど。 そんな、ステキ過ぎちゃう姫と王子を、じゃー…
「大人への一歩」 今日は朝から、ゆうが冴えない表情をしている。父親としては、実に心配だ。 食事もそこそこに、藁の寝床に潜り込んでしまったので、わたしはほぼ終わらせた執務の残りを明日にまわし、ゆうの枕元に急いだ。 「どうかしたのかい?」 「なん…
「わたしの、彼の」 (本屋大賞で一位だって) わたしは墓前に立ち、数ヶ月前に出版されたばかりの書籍を胸にかき抱いて、報告をした。森の中の小さな空き地。この墓地では、少々場に相応しくないような人物が眠っている。 (いつかは、って。夢だったんだも…
気になり始めちゃった…… その、ね? わたしよりも年下で なのに頼りがいがあって 満面の笑みが、本当に ま、まぶしいの その子の名前は、ゆう 勇気のゆう、勇者のゆう ステキな女の子 それだけじゃなくって か、かわいい女の子なの 出会って最初の頃は わた…
こんばんは。 このところの残暑に返り討ちにあった、基本貧弱ともみです。 だってさー。暑いよ? 秋なのによ? ついでに解離することも頻回になっちゃって、いろいろと疲れてます。 と、グチを書いたところで。 多くのぽんいちさまファンには、すでにご存知…
こんなにも苦しくなって 鼓動だって不整脈になりかけてて キミのことを思い出すと 胸の内側が締め付けられる これがきっと恋心 遅いおそいボクの初恋 だからってわけでもないけれど こころが駆けてしまっていて 王子なんて言う ハリボテの座なんか 捨ててし…
「コンシューマゲームだって大好き!」 今日はねー。 王子がわたしのアパートまで遊びにきたの。 え? えっちするのが目的? あー、ね。 それも多少はあるけど/// 今まで、王子を引っ張り回して、城下町のゲーセンへと何回となく行ってるんだけどさ。 LINEで…
「祝福の光」 「よ……。朝だよー」 「にゃー」 「朝だよ、姫」 「むー」 「ひーめー」 「有り余ってヘラる感情なんて」 「?」 「萎えるし映えないもういらない!」 「いや、『メンヘラじゃないもん!』歌ってる余裕あるなら、起きて」 「残酷な王子のテーゼ…
ねえ こんなこと思わない? ボクたちって 本当に数奇な出会い方をしたよね キミは誇らしげな歌声 反面ボクは好奇心 今振り返ると 確かに残酷な出会いだったかもしれない ボクは光を失い キミは歌声を失った でもさ そんな出会い方をしたから お互いのことを…
「今日こそ」 そして彼は心の内で大いなる決心を下すと、勇気凜々たる表情勇ましく、城中を後にしてきたのであつた。 どーわー。 アレだよね、小説って書けそうだけど、そうそう簡単には書けないものだね。 ボクは書いていたノートをパタンコと閉じて、むむ…
心配でたまらない ん? わたしのことじゃない ゆうのことだよ 本当にあの子はもう 射られた矢のように 興味の向くものへと すっ飛んでいってしまうのだから たしかにわたしは 王様ドラゴンとしての執務もあり 毎日がなんだかんだと忙しいが ゆうにとってみれ…
こんばんはー。 今日からまた暑くなってしまい、ついに溶けてしまったともみです。 ちょっとウソでした、溶けていません。溶けかかりです。 もうこの暑さは絶望的ですよね。古いですが絶望先生が近所に住んでいたら、 「絶望したっ! 公転する地球に絶望した…
「月明かりとプロポーズ」 王様ドラゴンとしての執務をやっと終えて、わたしはゆうの待っているねぐらに向かった。ニンゲンと魔物の交流が、だいぶ平和裏に進んできたのはとても喜ばしいことだが、その余波でゆうと触れ合える時間が、かなり削れてしまってい…
(いいかい、ゆう。いつだって未来を思い描くんだ) (それとね。いつも言っているけれど、力があることが強いんじゃない) (自分や誰かの悲しみを無くしてこそ、本当の強さだからね) おとうさん、いつもそう教えてくれている だからわたしも それを守って…