嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説09
久しぶりに更新します
こーんばんはー
相方ちゃんとしばらく一緒にいられた、しあわせふむふむともみです
まー、それに伴い(ってわけだけでもありませんが)
更新が止まっていました、反省…
相方ちゃんとは、またお互い修行中の身になったので
こちらの方も、ぽつぽつ更新していきたいなあ、と思っています
あ、Twitterも、徐々に更新頻度を上げられるよう
がんばりたいですね
そんなわけで
久々の、
「嘘つき姫と盲目王子」
お付き合いくださいませ♪
9 姫と
夜。一部始終を、ボクは姫に伝えた。姫はため息を、小さくついた。
「ちょっと焦りすぎちゃったかな、王子は」
「そう、なのかな……」
「うん。気持ちはすごく嬉しいの。だからこそ、ゆっくり考えていきましょ?」
「う、うん……」
「大丈夫よ。わたしはいつだって、ここにいるもの。どこにも消えたりしない」
「うん」
「ね?」
急激に甘えたくなったボクは、姫の背中にあたまをコツン、とさせた。
「そうだよね。『タイミングはいくらでもある』って。最初は考えていたんだから」
「そうそう。そのとおり」
不思議なことに、姫と話していると。すうっとこころが落ち着いてくる。それはとてもあたたかくじんわりとしていて。郷愁に似た甘さを含んでいた。姫のゾワゾワな手が、ボクのあたまを探し当ててゆっくりと撫でてくれた。なぜだろう。実の父母にしてもらった記憶などないのに、どうしてかそれを思い起こさせる。――今さら?ボクはちょっとばかり、自分自身がイヤになってしまった。
「でも、嬉しいなぁ。本当に」
どこか歌うかのような口調で、姫が言った。続けて、
「こんなにも。おぞましいバケモノのことを、真剣に考えてくれるニンゲンが、いてくれたのね」
「当たり前だよ。姫だもの」
「姫かぁ……。わたし、どんな姿だったのか憶えていないし。そうやって呼んでくれるのは、王子だけよ」
「ボクも。見ておけたらなあって、しょっちゅう思う」
姫は。
ほとんどすべてと言っていいほどの記憶と引き換えに。森の魔女に頼み込んで、ボクの視力を復活させてくれた。自業自得。そうかもしれない。だけど、姫の持つやさしさは、本当のものに違いないと、ボクは確信している。
続くのでした