嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説10
イイワケはいらない
こんばんはー
ここしばらく、幻聴と頭痛に苦しんでいる、お財布とメンタルが貧弱ゥ!なともみです
タイトルの通りなんですが、あえてイイワケしてみました
つーか
そろそろ、これのタイトルを、ちゃんと考えて決めようよ、わたし……
お付き合いくださいませー
10 もう一度、何度でも
今夜も、ギザギザ歌が高く夜空へと響く。おかしな表現だけど、それは『響く』と言うよりなかった。心地の悪いものではない、透明な、清澄な。やさしさそのものが、森に、夜月に、ボクの耳に。響き渡っていく。
「ねぇ、王子」
「うん?」
歌い終えた姫が言った。ボクはちょっと小首をかしげて、言葉を待つ。
「わたし、近いうちに。お城へ行ってみようかしら」
「本当!?」
「う、うん。――とてもとても、怖いことではあるけど」
「けど?」
「そのー。王子が一緒にいてくれるなら、困難も乗り越えられるかな、って」
「うん。大丈夫だよ。ボクが絶対、一緒にいる!」
姫の目尻が下がり、安心したように息を吐いた。ボクも、いつの間にか止めていた呼吸を、ふぅ、と復活させる。
「もう一度。んーん、何度だって。姫のこと紹介する。父母だけじゃなくて、それこそ、お城の全員にね」
姫が頬を染める。
「そんな……。いきなりじゃなくていいの、よ?」
ボクはうなずいた。
焦らず、駆け足にならず。ちゃんと姫を第一に考えようと。
まだ続くのでございまする