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【R-18】 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説 Vol.03 「そしてここから」

初の、R-18!

こーんばんは

今日は訪問があって、緊張のあまりほとんどねむれず

ニワトリなマインドに少々嫌気が差している、気弱ともみです

 

とか言いつつ

初めて、えっちぃ小説モドキを書いてみました!

なので、【R-18】を新たにカテゴリに追加

 

ま、期待してくださるほどに

そこまでえっちくはない(と思う)ので

「妾は苦手じゃ」

と言う方も、ぜひぜひ読んでやってくださいませ

 

 

 

 

そしてここから

ざあああ、ざむざむ。
ざざざああああ。

 

「降ってきたー」
「王子、こっちこっち!」
ボクと姫は、とりあえず店じまいしているお店の軒先に。
突然のゲリラ豪雨から逃れるため、急いで入った。
城下町の裏町、ときおり傘を持たない人が、足早にボクたちの前を通り過ぎていく。

 

「まいったなあ」
「ちょっと、遊びすぎちゃったね」
ハンドタオルで、髪や衣服をぱたぱたする。

 

「うわ。ぜんぜんダメだ」
ボクは半ば諦めた。
いくら拭いてもはたいても、全身ぐっしょり。

 

「わたしもだよー。ずぶずぶに濡れちゃった」
姫の顔を見やる。
こんなときなのに、まつ毛からポトポト水滴が落ちているのを、
(いろっぽ……)
と思ってしまう。あああ、いかんいかん!

 

「――やみそうにないなあ」
振り払うように、空を見上げてボクは言った。
「このままじゃ、カゼひいちゃうね……」
姫もおなじように、雨空を見ている。

 

「仕方がない、最後の手を使うか!」
力強く、姫が言った。
「最後の手?」
ボクのあたまには、疑問符が浮かぶばかり。
「ちょっと濡れるけど。ここまでずぶ濡れならおんなじ!行くよ、王子!」
姫はボクの手を掴むと、バシャバシャと駆け出した。
「わ。わわわ!」
引っ張られるに任せるよりない、ボク。

 

 

なぜか、ムダに大理石調で。
正面に大きなパネルスクリーンがあって。
入口と出口が、どういうわけか違っていて。

 

「ひ、姫!?」
「しょーがないっしょ。ここが一番、手っ取り早いもん」
「って言うか。ここ、どこだかわかって」
「わかってる。だから最後の手なの」
「ふええええ」
「あ、ここがいいや。つか、禁煙ルームは、ここしか選択の余地なしか」

 

独りごちながら、姫はパネルをタッチした。
「支払ってきちゃうから。王子、ちょっと待ってて」
「えええ!?」

 

うろたえているボクを置いて、姫はフロントに見えないようなフロントに向かった。
(こんなところ、いいのかな)
良くはなくても、もうどうしようもないんだけどね。

 

「おまたせー。キーもらった」
「う、うん」
「201だから、2Fか。エレベーターめんどいな」
「め、めんどい?」
「だって。いたした事後の人と顔合わせたくないじゃん」
「ななななな」

 

そんなことを言いつつも、姫はエレベーターのボタンを押した。
「ま、しゃーないね。行くよー?」

 

 

パタン。と重たいドアを閉じると、
「ひっろー!ベッドおっきいー!」
姫は、新しいおもちゃをもらった子どもみたいに、大はしゃぎでベッドにダイブした。

 

「あ、いかんいかん。服がずぶ濡れだったんだ。――王子?」
「ひひひ姫?ここって、どこだか」
「わかってるよー。ラブホだよ?愛の営みを行なう、しばしの隠れ家だよ?」
絶対に、姫。わかってない。
わかってないで、それっぽいセリフはいてる。

 

「とにかく、服脱いで。乾かさないと。王子もだよ?」
「ううううう、うん」
言うが早いか、ぽいぽい脱ぎ始める姫。
だめだめ、見てちゃダメ!
ボクは視線を引き剥がし、部屋の隅っこの方で脱ぎ始めた。

 

 

「ふー。ちょっとは落ち着いたね」
「そそそそだね」
真っ白なおそろいのバスタオルで、姫もボクも身体を包んでいる。
その状態で、ちょこん、とベッドの端に腰掛けた。
見まいとしても、乾かしている姫の下着を、どうしてもチラチラ見てしまうボク。
いかんいかんいかん!!

 

「気になるー?」
「えええ?」
「見てるの、丸わかりだよ?下着」
いたずらっぽく言う姫。
「まーねー。こんなことになるんだったら、上下そろったのにしてきたのにな」
「こんなことって」
「決まってるっしょ。いとなみ、よ♪」

 

何回目かわからない、ボクの顔のボフン!

 

「んじゃ、シャワー浴びちゃお?王子、先にいいよ」
「う、うん」
「――それとも一緒がいい?」
「ううううううううん!」
「どっちよ」
「ひとりで大丈夫!」
ボクはバスルームに飛び込んだ。

 

 

それではあっても。
あたたかいシャワーを浴びて、髪と身体も洗って。
だいぶ落ち着いてきた。

 

「おまたせしました」
戻ってみると、姫はなにやら、部屋中を物色している模様。
「あーい、おかえりなさい」
「なにかあるの?」
「んー?あるよー?えっちぃグッズ」
「ふぁええ!?」
「いやいやいや。お金取られるから。買わないから」
「で、ですよね」
どこまでが本気なんだろう、姫は。

 

「じゃ、わたし浴びちゃうねー」
「はい」
バスルームのドアが閉じられたことを、耳で確認して。
大きくボクは、ため息をついた。

 

ふふふんふ~♪
なんて。
姫が鼻歌うたってる。
もー、のんきなもんだなあ。
そう思いながら、バスルームの方を見たら。

 

大きな鏡だと思っていた部分が透けていて。
バスルームの中、丸わかりじゃんよ!
ちょっとー!
湯気で、完全に見えてるわけじゃないけど……。
ひ、姫の。
ほ、ほとんどハダカ状態が。
み、見えちゃってて……。

 

ちょいまち。
ってことはですね。
(ボクのハダカも見られてた!?)

 

この時点で気を失わなかったボクは
大いに褒められて、しかるべきだと思う。

 

 

カチャリ、と音がして。
「出たよー」
思いっきり通常運転な姫が、バスルームから出てきた。
んもう、どんな顔をしていればいいのか、ボクはわからず。
「は、あい」
と、なんとも情けない返事をするのが、やっとだった。

 

「どしたの?」
「そ、の。いや。あの……」
「緊張しちゃう?」
「そ、そりゃあ……。って!」
「ふふ。かわいいなあ、王子は」

 

ベッドに先ほどと同様、腰掛けてるボクのとなりに。
姫も、ちょこっと座ってきた。

 

「王子はおなかすいてない?」
「うん?うん、そんなには」
「そっか。わたしも。ここ、頼めるし。レンチンできるのも冷蔵庫にあるし」
「うん」
「おなかすいたら、食べようね」

 

そう言うと姫は、バスタオルにくるまれたまま、ぼすん!と後ろ向きに倒れた。
「ふぁああ……。ねむくなっちゃう」
「うん、なんかボクも」
マネして、ボクも寝っ転がる。
お城のベッドよりも、寝心地いいかも。

 

 

そのまま目を閉じてみたボクの左手を。
姫がそっと、握ってきた。
「王子」
「う、うん?」
「こわい?」
「え、な、なにが?」
「寝るの。わたしと」
「ん。んーん。こわくない」

 

「わたし、王子のこと。大好きだよ」
「うん、ボクも姫のこと、大好き」

 

「大好きな人と、一緒に寝るのは。いけないこと?」
「――んーん。そんなことない」

 

「王子は、えっちぃ女の子。好きじゃないかな」
「ん……。よく、わからないんだ」

 

「わたし……。もともとが、バケモノのオオカミだったでしょ?」
「うん」
「それもあって。えっちするの、大好きなんだ」
「オオカミだと、そうなの?」
「たぶんだけどね。可能な限り、数多く子どもを産んで、子孫を残す。だからかな」
「そうなんだね……」

 

 

「わたし、王子と。したいよ」
「姫……」

 

姫が、身体を寄せてきた。
腕を伸ばして、明かりを落としている。
そして。
薄闇に包まれた部屋の中で。
姫が、そっと。
口唇を重ねてきた。
やわらかくて、やさしい口唇だった。

 

「王子のぜんぶが、欲しい」
「うん……」
「好きなところ、さわっていいよ?」
「ん」

 

あたたかく、ゆるやかな。
そんな空気に、ボクたちは充たされた。

 

 

「うあー、まだ降ってる」
「ホントだね」

 

あやしいたたずまいの建物から出て。
ボクたちは、ちょっとばかり恨めしそうに、雨空を見た。

 

よくあるお話か何かだと。
この時点で空は晴れ渡り、まるでボクたちを祝福するみたいなんちゃらかんちゃら、だけれども。
仕方がないよね。
『事実は小説よりも奇なり』
なんだ。

 

「走って帰ろっか」
「だったら、最初からそうしてたよ、姫ー」
「まあまあ。――走れる?王子?」
「な……!だ、大丈夫だよっ!」

 

部屋を暗くしたあのあと、ボクたちがどうしたのか、どうなったのか。
それは歴史が語ってくれる……。

 

ウソです。
ちゃんとお話しするのは、またの機会に。

 

ね、姫♪

 

 

 

 

おしまい

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いかがでしたでしょうか////

わたし的には、ちょっと赤面するぐらいの感じなんですが

「足りん!」

「もうおなかいっぱい」

などなど、読んでくださった方々それぞれあると思います

 

なにか、コメントなど頂けるとうれしいです

よろしくお願いいたします

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました