創作全般よっこらしょ

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嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説 Vol.04 「歌の魔法」

混む前にお買い物

おはようございます

混み始める前にお買い物を済ませちゃおう、などと

ちょっと前向きな朝の、ややメンタル復活なともみです

 

なので

いつも通りにドトールに入ってw ちょっと書いてみました

この時間帯でも、けっこう混雑するんですねえ

つか

オジサマおふたりの話し声がでかくて

聴いてる音楽を、突き破ってくるレベル

発達障害(グレーゾーン?)の身としては、なかなかにつらいッス

 

そんなわけで、更新いたしますー

お付き合いくださいませ

 

 

 

歌の魔法

いつもの月夜。
いつもの岩山。
そして、いつもとなりにいてくれる。

 

いつもの王子。

 

わたしは、王子が言うところの、
『ギザギザ歌』
を、今宵も歌っていた。

 

へたくそだけど。
とても上手とは言えないんだけど。
王子が聴いてくれる。
ちゃんと聴いてくれて、拍手までくれる。

 

これ以上のしあわせを求めたら、きっとバチがあたっちゃうよね。
こうして。
女の子、んーん。
姫の姿をしていても、どんなでも。
王子がいてくれるんだもの。

 

 

わたしは歌い終えて。
相変わらず顔を熱くしながら、王子の拍手を受け止めていた。

 

「姫、少し声の感じが」
「うん?」
「前みたいに、戻ってきた気がする」
「ほ、ほんとう?」
びっくりしたけど、うれしかった。
王子は、ウソなんてつけないからね。

 

「だったらいいなあ……」
「大丈夫だよ。こんな言葉があるもん」
「?」
「継続は力なり」
「どういう意味?」
「続けていれば、ムダになることなんて無いよ。かな」
「そっかあ……」

 

しばらくふたりして。
お月さまを眺める。
今夜は満月よりも、少しばかり欠けている。

 

ほら、わたし。
元がバケモノのオオカミだから。
お月さまの力を、ダイレクトに受けちゃうのよね。

 

 

「姫も、魔法使えたらいいのにね」
「ええぇぇ!?」
王子、ときどきズレてとぼけたことを言い始めるからなあ。

 

「ほら。森の魔女みたいに、さっと杖を一振り!」
「はああぁぁ」
杖なんて持ってないよ、わたし。

 

「で。『滅びよ!守護者のいかづち!(ガーディアンズ・ヴァニッシュ!)』とか。唱えるの」
「は、あ」
いつの間に王子、厨ニくんになった?

 

「いや、滅ぼしたいものが、そもそもとして。わたし、無いよ?」
「そっかあ……」
残念そうにしないでください。

 

「あ。姫は魔法、もう持ってたね」
「?」
「姫の歌だよ」
――さすがに照れる。

 

「でもさ?魔女に相談するのも、ありなんじゃない?」
「なんて?」
「『わたしを魔法使いにしてください!』って」
「――はあ」
まんまだよ、王子。

 

「うん。きっと、もっともっと。歌が上手になるよ」
「そ、うなのかな」
「だよう。こんど、一緒に魔女の館、行ってみようよ」
「うん」
わたしも、乗せられやすいなあ。

 

 

「魔法を使いたい?」
数日後、魔女の館にて。
わたしは王子と一緒に、やってまいりました。
で。
呆れたような魔女の言葉が、わたしたちふたりに投げかけられたところ。

 

「できませんか?」
期待に満ちた、王子の問いかけ。
「ああ。無理だな」
バッサリと斬って捨てられた。
そりゃそうだよね。

 

「だいたい。なんの目的で習得したいと」
仮面の奥から、魔女のちょっと面白がっている気配が感じられた。
「えっと。歌が、もうちょっと?」
わたしは、指先で『ちょっと』を表現して、
「もうちょっと、上手になれたらなあ。って」

 

「ああ。無理だな」
やっぱり、斬って捨てられた。

 

「そこを、なんとか」
食い下がる王子。

 

 

魔女は、くつくつ笑いながらもため息をつくと言う、器用なことをしながら、
「お主の」
わたしを見て、
「お主の歌声は、契約通りもらい受けている。返すわけにはいかぬ」
「ですよね」
わたしは、こんなときだけど深くうなずいた。

 

「だが」
『だが?』
そろって聞き返す。

 

「もう、魔法なら。持っておるだろうに」
「そうなんですか?」
乗り気の王子。

 

「われから、言わせる気か?」
『?』

 

ふう、と。
今度は本当に、ため息を魔女はつく。

 

「お主の歌は。自身と、王子を。結び合わせただろうに」
仮面の奥で、魔女が照れている様子。

 

――3人で。
顔が真っ赤になったのは、言うまでもないでしょう。

 

 

今夜も歌う。
お月さまに向かって、夜空に向かって。
そして。
最愛の王子のこころに、深くふかく届くように。

 

わたしの歌には。
『愛する思い』
と言う魔法が、いついつだって。

 

込められているんだもの。

 

王子の言う通り。
わたしはある意味、しあわせな魔法使いなのかもしれないな。

 

 

 

おしまい

ご感想など、お待ちしております

今回の話は、書いてるわたしが照れました

でも

このふたりには、しあわせになって欲しくて……

かわいいんですもん

 

さて

もう一息ついたら、お買い物に行こう

今日はトレペ、買って帰れるかな?

かさばるから、つい先送りにしちゃうんですよね

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました