「今夜だけは」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説
こんばんはー
やっぱりうつうつになって、どん底に落ちてた吐き気と頭痛はご容赦をのともみです
今はどうにか、復活しつつあります
って言うのと
「姫と王子にはしあわせになってほしい!」
と、こころから願うので
まあ、いつも通りの二次創作小説なのであります
えー、Twitterからの続きみたいになってしまうので、もしご興味ございましたらフォローしてやってくださいね
では、始めます!
「今夜だけは」
無事に王子と合流して、軽くお茶したの。
さっすがに寒いのと(オオカミ姿だったら、体毛あるけどね)、急いで来たからのども乾いてて。お冷をごくごく飲んじゃった。
よけい身体が冷える?
うん、そのとおり。
でも、ね。
でも、王子がにこやかに、となりにいてくれるから……。
城下町の一等地、ってそりゃまあ、お城なんだけど。
そこからも近いし、でも隠れ家的なお店を。
王子は予約してくれていた。
「無国籍料理のお店?」
「うん、なんか美味しいみたい」
手をつないで、そのお店に向かう。寒風が吹いていても、こころがあったかい。
「無国籍料理、って何?」
わたしには疑問符だらけだ。
「たぶんだけど、どこの国の料理って決まってなくて」
「うんうん」
「その店のオーナーオリジナルのお料理とかを、食べられるお店、かな」
「すごいねえ、ニンゲンの考えることは」
心底、感心してしまうわたし。
え、じゃあもしかして……。
「まさか、テーブルで火を使ってお料理もするとか!?」
前に、雑誌で見たの。
店員さんがバーナー持って、おさかなをチリチリに焦がしてるところ。
な、なんて恐ろしいことを、ニンゲンはできるかな。
「大丈夫だよ。それはない」
「はー、良かった」
「姫と一緒に行くんだもん、そこいらへんは調べたから」
「なんかごめんね。でも、ありがとう」
王子の手をギュって握った。微笑みが返ってくる。
カウンター席に用意されたお料理は、どれもみんな美味しくて。
わたしたちは、空腹も手伝ってバクバク食べちゃった。
小さいお店だから、オーナーともお話しできて。楽しかったな。
王子はオーナーと、なにやら国のあり方、みたいのをときおり真剣に話してて。
(さすが王子)
って感心しちゃったね、うん。王子もにこやかに笑っていたから、きっとそんな生の意見が聴けて、満足だったんだと思う。
「美味しかったー」
「ボクも。おなかぽんぽん」
「王子はなにが美味しかった、一番?」
「んーとね。おさかなを煮物みたいにしてたやつ」
「あー!たしかに」
「姫は?」
「どれも美味しかったけど。実はデザートのアイス」
「うん、美味しかったね。牛乳の濃い味がつまってたよね」
オトナだったら、食べつつお酒も飲みつつ、ってなるんだろうけど。わたしたちにはまだちょっと早かったし(特に王子ね)。そのぶんちょっと、値引いてもらったから結果的におーらい。
「ホテルに入っちゃおうか。お外、寒いもんね」
「うん。あ!ちゃんとあとで、わたしに請求してね」
今日、待ち合わせたときに言ったんだ。
『一緒に過ごすんだから。お金も一緒だよ』
って。
王子のことだから、バイト代ぜんぶつぎ込んじゃいそうで。
町のイルミネーションや、夜空のお星さまたちが。
微笑んでキラキラしてくれてる。
そんな中で、王子と一緒にいられるって。めちゃくちゃありがたいし、嬉しいことだった。
老舗っぽい、でもとてもキレイなホテルに、チェックイン。
キーを受け取った王子が、
「ルームサービスもお願いできるし、なにかあったら言ってね」
立派な装飾の階段を登りながら、言ってくれた。
「大丈夫よ、だって」
「?」
「王子と、おんなじ時間と空間を過ごすんだもん」
「そっか、ありがとう」
言って照れた。
お部屋もイヤミに感じない程度の、装飾があって。落ち着けそうだった。
「ふー、着いたー」
「着いたねー」
王子がそっと、ベッドに腰かけた。わたしもちょこんと、となりに座る。
「ねえ、王子」
「なぁに?」
「今夜だけは、『王子であること』を忘れててね」
「うん?」
「今夜だけは。ごくフツーの男の子でいて」
「わかった。じゃあ、姫もだよ?」
「うん」
どちらからともなく、キスした。
お外は寒くてもあたたかな夜、祝福の夜。
今夜だけは、すべて脱ぎ捨てた、そんなわたしたちになろう。
おしまい
きっとこのあとで、プレゼントの交換とかするんでしょうね
皆さまも、ステキな夜をお過ごしください
おしまいも、公式のまんがで
メリークリスマス
最後までお読みくださり、ありがとうございました