焔(一次創作 詩041)
もう言葉も出ない
なにも出ない
感情は真っ白いかと
そう思えど朱紅に染まって
ただ茫洋としたがらんどうの中
燃え立つ焔だけが
ごうごうと叫んでいる
なんの炎なのか
聞くまでもないだろう
わたしもそうだ
だけれども
わたしの「中」に
燃え盛っている感情が
渦巻いているのだ
おさまらぬ
おさまるものだろうか
ひとつだけ
わたしはただの
代弁者に過ぎない
ちからなど
もとから持ってはいないのだ
この路地の向こう
酔いどれ痴れ者のねぐらで
持て余した焔と
今宵はともに酌み交わす