耳に届くささやき、落ちるのは湿った空気(一次創作 詩045)
鈍色のソラは決してキライじゃない
晴天の青々としたソラのほうが
すべてさらけ出させられるようで
むしろこわいんだ
街灯は勘違いして
ぽうとひかりを灯し
垂れた雨雲は
ここぞとばかりに
低くひくく走っていく
気の早い蚊の群れが
くうんくうん鳴きながら
嬉しそうにまとわりついて
ああそんなでも
まだまだいいのさ
かゆいだけでこわくない
こわいものはたくさんあるよ
落ちた空気
葉の裏
デタラメに近い配線
プラトタン
いい加減にボクも
しっかりと歩きはじめよう
行き先はほら
頭上の雲が教えてくれる