「永遠の果て先まで 3」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説
永遠の果て先まで 3
挙式が無事に終わって。
ボクたちふたりは、手を取り合い。
教会の敷地を散歩していた。
新緑が、目に眩しいほどに萌えていて。
吹き渡る風がとてもやさしい。
「気持ちいいね」
「うん」
姫が、よほど嬉しいのか、手をぶんぶんしながら言った。
ボクも、ちょっとだけどぶんぶんして、うなずく。
「夫婦なんだね、わたしたち」
「そうだね……。うん、夫婦だ」
それぞれの左手くすり指に、その証がきらめく。
こんなときにアレだけど、プラチナの純度をケチらないで良かった。
そんなことを考えてしまう。
「その、姫のドレス。似合ってる」
「え? へへへー。ありがと。王子もだよ?」
「そかな。ありがとう」
「披露宴まで、まだ時間あるよね?」
「うん。充分にあるよ」
「もうちょっと、お散歩しよ?」
「うん!」
下草の、やさしい感触が沁みてくる。
木々の葉までが、微笑むように揺れて。
春の陽射しとダンスしている。
「だいたい、一周したかな?」
「そうだね、戻ってきた」
「じゃ! もっかいお散歩!」
「姫は体力あるなあ」
ちょっとだけボクは、ふえぇ~、と思ったけど。
一生に一度だけの機会だもんね。
いくらでもお散歩して、いくらでも手をつないで。
この時間を、姫とのかけがえのない時間を。
しっかり刻み込もうと、手を握り直した。
「ね……?」
「うん」
木々の中、立ち止まった姫が、そっと目を閉じる。
ボクも目を閉じて、今度こそ激突しないように。
そっとそっと。
永遠の果て先までにもつながる、そんなキスを。
やさしくやわらかく、交わした。
おしまい
こんばんはー
いつもとやっぱり逆ですが、本気で姫王子おめでとうと祝福しちゃうともみでっす
いやほら、前にも何回となく書いてますが
このふたりには、しあわせになってほしい!
こころからそう思ってやみません
これから先も、いろーんなこと
たくさんたくさん、あるでしょうけど
ふたりがいっしょなら、怖いものなし!
そんな関係であってほしいです
3枚のイラストの使用を、快く承諾くださったノンキさん
ありがとうございました!
しあわせを願って書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
今回のおはなしは、わたしの中ではまだまだ先の出来事なので
このあとで書いていくのは、いつもどおりの姫と王子になると思います
ゲーセン行ったり学校に行ったり、そんなふたりをたくさん書きたいな
懲りずに、お付き合いくださればとっても嬉しいです
最後までお読みくださり、ありがとうございました