「嘘のはじまり」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作詩
本当にとっさだったの
最初から、王子のことをだまそうだなんて
嘘をつこうだなんて
思っていなかった、考えてもいなかった
でも、怪しまれたくはない
だから、口をついて出てしまったの
王子を安心させたいから
王子に声をかけたかったから
ちがう
また嘘をついた
わたし、きっとどこかで
こうしていればいずれ、近い未来には
王子の手をとれる
王子の手を握れる
そう思っていたんだ
ごめんなさい……
だけど、もう間に合わない
一度口から出てしまった言葉は
嘘であっても、取り返せない
これが嘘のはじまり
わたしが、嘘つき姫に
なった瞬間なんだ