「雨に包まれて」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作詩
秋雨の一日
霖雨が立ち込めるように
森に広がっている
霧のような雨に音は無く
どこかぽやあんとした
眠気に近い空気が満ちる
姫はきっと
オオカミの血がさせるのだろう
少々だるそうに
朝から横になっている
(心配いらないからね)
そう言われてはいるが
気になってしまい何回も
寝室とキッチンを往復してしまった
柔らかく姫は笑う
(大丈夫よ)
その笑顔が凛雨に消えてしまいそうに
そんなことないのに思えて
ボクは姫を抱きしめた
(どうしたの?)
ただ力を込めた
姫がボクの髪を撫でてくれる
(ずっと一緒だから)
小さく交わしたキス
音の無い雨の中
ボクたちはだた
止まった時の中のように
抱き合っていた