創作全般よっこらしょ

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「姫とボクの」06 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説

前のお話はこちら。

 

 

tomomikoshigaya.hatenablog.com

 

姫とボクの 06

 

 

 

「くすり屋さん」
「厳密には違うけど、それに近いものかな」
「賛成! 王子、いろんなこととかお花とかに、めっちゃ詳しいもん」
「詳しいだけじゃダメだけど。やってみてもいい?」
「もちろんー」
夕ごはんを一緒に食べながら、ボクは最近考えていたことを、姫に打ち明けた。
さすがにそろそろ、持ち合わせ(とは言え、相当の金額だったことには間違い無いけど)ばかりを使うわけにもいかず、何かお仕事を考えないとなあ。そう考えていたんだ。

そこで思いついたのが、姫いわくのくすり屋さん。この地方では「薬師(くすし)」って呼ばれる職業だ。名前の通り、薬効のある鉱物や植物などを調合して、オーダーされたおくすりを中心に作るお仕事。
「ちょっと調べてたんだけど、やっぱり資格が必要だって」
「しかく」
「えっとね。そのお仕事をしてもいいですよー、って言うお許しみたいなやつ」
「お許しかー。わたしだったら一発で出すけどな」
「ありがと」
「お許しもらうの、難しい?」
「なんとも。でも挑戦してみるよ。何回だってチャレンジしていいみたいだし」
「わかった。すごく応援しちゃう!」
「じゃあ明日にでも、テキストとか買いに行ってみる」
「今の知識じゃダメなの?」
「自分でもアレだけど、もうちょい専門知識を増やさないと」
「そっか」
「でも、賛成してくれてありがとう」
「当たり前だよう」
にっこりと姫が笑ってくれた。ボクも笑顔になる。
この、ボクたちの笑顔のためなら。なんだって頑張れるよね。

翌朝。
いつも通りの時間に、ボクは目覚めた。自分でも体内時計すごいな、って思うけど。姫は気持ちよさそうに、くーくー寝てる。起こさないようにそっとベッドを出て、朝ごはんの支度に取り掛かる。

昨日の話を受け入れてもらえたからか、驚くほどに気持ち的にすっきりしていた。そして、頑張ろうって気概が湧いてくる。
姫も食べられるように、サラダは濃いめの味付けにして。パンを焼いてコーヒー淹れて、目玉焼きポンと作って、大体終了。姫を起こしに、寝室へ戻る。

「はおー」
「おはよ、起きてたんだ」
ちょうどドアを開けてた姫に会った。そしたらいきなり、姫は抱きついてきて、
「あのねあのね? わたしもお仕事するよ! 狩りだってできるし、獲物をさばいて市場に持ってくことだってできるよ!」
「え、え?」
「王子ばっかりじゃ、ダメだって思ったの。わたしも何かしらで協力しなきゃって」
「そっか……。ありがとう。すごく嬉しい」
「へへー」
ちゅっとキス。全身から喜びの空気が出てるだろうな、今のボク。
「無理はしないでいいからね?」
「うん! あ、それは王子にも言えるよ」
「そうだね、うん。ありがとう」

手をつないで、キッチンに入る。改めてコーヒーの香りが鼻腔に届いた。嬉しさが込み上げてくる。
「目玉焼き!」
「タマゴ、安かったしね」
テーブルに着く。
「今朝も作ってくれて、ありがとうね」
「んーん。そんなに凝ったの作ってないもん」
「それであっても」
「そっか、うん」

いただきます! して。姫はがっつくように食べ始める。さすがオオカミ。ボクもお腹は空いていたので、パクパク食べていく。
朝陽がそっと、遠慮がちにキッチンまで入ってくる。ではあれ、朝のまぶしさが祝福してくれているようで、嬉しくなっちゃった。
(今日も。精一杯、生きていこう)
誓うようにそう思った。いや。
(姫と一緒に、精一杯生きていこう)
目の合った姫が、口の周りいっぱいつけて。それでも笑ってくれた。

ありがとう。これからもよろしくね。

 

 

おしまい

 

 

 

こんばんは。

フツーにおなかすいてきた、胃だけは健康ともみです。

 

何回かに分けて、姫王子の小説を書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?

わたし自身で言えば、イチャコラさせることがたくさんできたので、書いていてヒジョーに楽しかったです。

もっとアレなシーンを増やすことも考えていたんですが、あまりにだと、はてなブログに抵触しそうでおっかなくなって書けませんでしたw

やっぱ、えちちいのはpixivとかにまわしますねー。

 

「嘘つき姫と盲目王子」と言うゲーム作品は本当に尊くて、何回プレイしても楽しいし、ストーリーに涙してしまいます。

このゲームに出会えて、心から良かったなあ、などと。

 

今回のお話はこれで完結ですが、また懲りずに書いたりしていくと思いますので、お付き合いいただければ嬉しいです。

ありがとうございました!

 

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これからもわたしたち、わかつことなく一緒だよ

 

おしまいまでお読みくださり、ありがとうございました。