「育児は育自」 わるい王様とりっぱな勇者 二次創作詩
永遠なんて言うものも
運命なんて言うものも
信じてはいなかった
ときの流れはどうあがいても
有限のものだし
自分自身のチカラをもって
切り拓けば道は作れる
そう信じ込んでいた
わたしのすべてを変えてくれたのは
このまだ小さい少女
今は亡き勇者から
この子を引き取ったときは
なんで泣いているかもわからず
なんで笑っているかもわからず
ミルク作りに翻弄させられ
おしめの交換に慌てふためき
やっと寝てくれた
さあわたしもちょっとだけ
うとうとさせてもらおうじゃないか
その次の瞬間に
原因なんてわかるわけもないギャン泣き
わたしまで涙ぐんだことは
きっと許されると思う
そのぬくもりといっしょに
わたしも「おとうさん」として育った
ニンゲンの言葉に
「育児は育自」
と言うものがあるそうだ
ときにニンゲンは上手いことを言う
何回そう思ったか
まだまだあどけないこの子を
わたしはこころに刻み込んだ
「りっぱな勇者に育てる」
その誓いと決心をもって
大きくなって成長をして
亡きパパの剣を構えられるようになったら
わたしは
皆まで言うまい
こころは変わらない
気持ちも変わらない
わたしが「わたし」たるために
育っていく毎日がとても楽しみだ
毎晩だってパパのお話をしよう
いつだって「しゅぎょう」の手伝いもしよう
今になってだが
わたしは生命と言うものの不思議さと
その大切さを知ることができた
悔いなど無い
夜月が笑っているな
長くあたたかく良い夜だ
寝息がわたしをつつみ
やすらけき時間をもたらしてくれる
夢想はここまでとしよう
おやすみ
ゆう
そして
ありがとう
