「ありがとうのとなり」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作詩 ぜんぶひらがな
おねがいだよ、ひめ
ずっとボクのとなりにいておくれよ
バッとおきあがった
なんていうあくむだろう
ひめがボクをおいたままで
すがたをけしてしまうなんて
ひたいににじんでいたあせを
てのこうでらんぼうにぬぐった
いきがとてもあらい
(ひめ……)
「ごはんだよ、おーじ」
「あ……」
いつもどおりのひめが、しんしつにはいってきた
「おーじ?」
「ひめ!」
ボクはベッドからはねおきると
おもいっきりだきついてしまった
「どうしたの?」
「なんでも、ないんだ」
「うん」
「このまま、すこし」
たいおんがつたわってくる
こどうがわかる
ボクたちのこどうがわかる
「きょうはあまえんぼさんのひなのかな?」
「そうかもしれない」
かみをそっと、ひめがなでてくれた
だいじょうぶだ
ひめはとなりにいてくれる
いや
おたがいに、となりにいられるよう
そうしていきていくんだ
おもいやっていきていくんだ
「ありがとう」
じかんなんて、とまってしまえばいいのに