冷めることのないぬるま湯の中で(一次創作 詩032)
郷愁にひたりたい気分でもなかったけれど
やっぱり、と思って引き返してみた
と言って、だれかがあたたかく迎えてくれたり
わたしを待ち望んでくれている
酔狂なひとも、そうそういないだろう
これでいい
自暴自棄の一歩手前のように
こころのなかで、なにかがくすぶる
熾火のようなそれは
油断したらあっという間に
燃え広がってしまいそうで
バカだなぁ
わたしはわたしに自嘲した
なんだ、結局フタを開けてみれば
やっぱりどこか懐かしい
郷愁のぬるま湯に、つかりたかっただけだ
もう一度、わたしは笑う
涙なんか出やしなかった