ざあああむと風が吹き渡り、空はいちだんと叫び声を大きくした。オンオンと言う唸り声が、その地へも届こうとしている。 見上げた空には、薄い雲が。そのほかと言えば、ただ峻烈な青が広がっているばかり。夏の空は、恐ろしいほどに晴れ渡っている。 さあ、…
細く狭いプラットホームも、1両だけのディーゼルカーも、細かく冷たい雨にそぼ濡れていて、大蝦夷の寒さが身にしみる。定刻の発車まではもう5分を切っていたが、乗客はわたし以外に誰もおらず、赤字、それも大赤字のローカル線運営と言う厳しさを、いやが応…
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