耳に届いたささやきと(一次創作 詩184)
飛んでいってしまった、トンボさん
かすかに、本当にかすかに空気を震わせて
そのささやきが、わたしには
さようならだけど、またね
って聞こえたの
トンボさんは、自由に飛べる
もしわたしがソラから
この地上を眺められたら
どんなふうに感じるだろう
でもそれは
この地上で生きていられるから
そう思えるんだよね、きっと
取れないぶどうは酸っぱい
そんなことを言うじゃない?
トンボさん、トンボさん
考える機会をくれて
ありがとうね
(次回でこの連作、最後になります)