「とどかない」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作詩
とどかない
こころのなかで、誰かが嘲笑した
誰か、んーん、ちがうな
これはボクだ
ボクがボクを笑ってる、嘲笑ってる
そのうちに笑い声は
強くつよく
兇笑に変化していって
耳をふさいでも、あたまを振っても
わあんわぁんと響きまくる
仕方がないか
ボクはボクを、冷酷に突き放した
ここはお城のはずれ、螺旋塔のどこか
冷え切った牢の中で
ただボクは膝を抱えている
何も見えない
ひかりなんてもう、存在しない
だからなのか
暗闇なのに、ぽうんぽうんと原色のヒラヒラが
弾んだり踊ったり
笑ったり
ああ、まただ
また笑い声だ
完全に視力を失ったボクは
こころの内側で繰り広げられる
いつ終わるとも知れぬ、狂笑劇を観ている
観させられている、たったひとりの観客
ヒラヒラが悩ましく、ボクに絡みついて
嬌声をあげては、舞台袖に引っ込んでいく
わかったよ、ありがとう
次はどんな、発狂者の夢なの
いい加減飽きたなあ
ここは、凍てついた螺旋塔のどこかにある
カキカキに冷え切った牢獄のひとつ
とどかない
ボクの声も、とどくわけがない
誰に?
正常域を逸してしまった甲高い笑い声が
問いかけて、すうりりん、と
消えたと思わせ、またボクにまとわりついた
あー
書いてて、わたしが真っ暗になったわw
次はもっともっと、お気楽ちゃんな記事にしよう
おしまいまでお読みくださり、ありがとうございました