嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説04
「頭痛が痛い」とかじゃない
こんばんは
このところ、猛烈な頭痛に悩まされている、おつむペインともみです
幻聴もあるし、ドうつだし
ついでに頭痛プラスしましたひゃっほい!
つーか
頭痛が痛かろうが、骨折が折れようが
更に言うなら、黒い白馬にまたがって
パカポコ旅に出たいくらい痛いッス
そんな絶不調ではありますが
お話自体は、かなり書きためてあるので
せっかくなので、更新いたします
グチだらけで、ごめんなさいでした
お付き合いくださいませ
4 盲目だったボク
少し、振り返りながら前のことをお話ししてみたいと思う。
ボクは、実のところ盲目だった。
先天的なものじゃない。ボクの視力は……。なにを隠そう、この姫によって奪われたからなんだ。今思い出しても、わずかに背筋が戦慄する。姫の手には、岩さえもバターのように簡単に引き裂く、鋭い爪がある。これで、一瞬ののちに。ボクは視界を失ったんだ。
盲目になったボクは。
冷たく暗い、城内の一角にある螺旋塔に幽閉されて。このままずっと、ずっと一生涯を檻の中で過ごすものだと、絶望し切っていた。何も見えない苦痛は、最初のうち、赤や青のリボンのように舞うひらひらの幻覚を。次に、赤くて丸い点々が、真っ暗な中を走り回り。最後のころには、もう二度と見ることの能わぬ、中庭のお花畑・天蓋のあるベッド・スコーンと一緒にトレイに乗った紅茶・お城の図書室……。そんな幻覚が、浮かんでは消えていった。
人間は、五感の一部を失うと。他の感覚が優れていくものらしい。ボクは特に、聴覚。耳から入る物音や話し声に、とても鋭敏になっていった。そして……。
実の父母、そう、国王と王妃から。こんな会話を聴いたんだ。
『呆れたものだな。バケモノに目を潰され、おめおめと戻ってくるとは。絶望した』
『本当にねぇ……。この子はもう役に立ちませんわ。言うなれば、そう。ゴミとおんなじ』
鉄格子の向こうだと思う。それも、螺旋塔の階段のあたり。
そこでのヒソヒソとした会話が、ボクの耳には届いてしまった。ボクは。身じろぎもせず、涙も流せず。ただ、凍りついたように、父と母が帰っていくのを待った。それまでは、望みがなくなろうとも、絶対に気を失ってやるもんか。強くつよく思っていた。
足音が遠ざかり。父と母が帰っていくことを知ったボクは。今思うと、ニンゲンじゃないようなうめき声を上げて。そのまま、冷え切った床に倒れ込んだらしい。生まれて初めての気絶、それも、絶望感による。
ただ。泣けないのが、無性に悔しかった。
続きます……