創作全般よっこらしょ

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「初めての彼氏」 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説Vol.13

タイトルの書き方を変えてみました

こんばんはー

少し幻聴が治まっている、相変わらずのメンタルひ弱ともみです

 

えーっと

何で変えてみたのかというと

スマホで見たときに、ぜーんぶおんなじに見えちゃう!

からなんです…

 

と言うわけで、久々の二次創作小説です

お付き合いくださいませー

 

初めての彼氏

いつもの通り、王子とバイバイ。
わたしは森の奥にある自分の家に帰って、ふっとため息をついた。
ニンゲン、姫の姿のまま。
ベッドに、どしゃっ!と身を投げ出す。

 

ちょっとね。
ちょっと、自分がイヤになってた。

 

その。
そのー。
王子との関係に、すぐえっちいことを持ち込んで考えてしまう。
そんな自分にだ。

 

何だか、むかしのことを思い出してしまう。
遠いむかし、学校に通っていたころのこと。
もっかいため息。

 

わたしは夢想に任せたまま、うつらうつらと思い返していた。
初めての彼氏のこと。

 

 

「絶対にさ。あのセンパイ、好きだって」
「ないない!」

 

森の学校、帰り道。
いっつも仲のいい、カナメイシちゃんがそう言ってきた。
答えたのはわたし。
バケモノの、オオカミのわたしだ。

 

「知らない?オオカミちゃん、かげではそうとうモテてるよ?」
「知らないってー。カナメイシちゃんの気のせいでしょ」
「そっかなー」

 

カナメイシちゃんは、ひとつだけの目を、
「うーん……」
とうなりながら閉じる。

 

「でも」
「でも?」
わたしは聞き返した。
「でも、いいなあ。オオカミちゃんもヤギセンパイも、生殖行為、できるんだもの」
「ぎゃぁぁあー!!」
「きゃー!!」

 

ふたりして、大騒ぎ。
このまえ、このことについては。
保健体育の授業で、習ったばかりだからね。

 

わたしたち女子は、知らん顔を(できるだけ)決め込んでたけど。
男子はめちゃくちゃ、はしゃいでたっけ。
はああーぁあ。男子なんておこちゃまだなあ。

 

それに引き換え。
くだんのヤギセンパイは、落ち着いていてクールで。
かっこよくて、やさしそうで……。

 

「何を考えとるのかな?」
カナメイシちゃんの、ニヤケ顔。
「ななななんでもないよ!?」
「またー」
「ホントだよぅ」
「ま、いいや。――気持ちに。素直になりなね?」
「ん……」
「じゃ、まった明日ねー」
「ん?うん、バイバイ」

 

カナメイシちゃんと別れる。
わたしは……。
きっとわたしは、真っ赤な顔になってるんだろうな。

 

 

わたしは、オオカミの姿をした。
深いふかい魔女の森に住む、メスのバケモノだ。

 

バケモノなりに、学校には通っているの。
不思議?
そんなことないよ。
世界には、広い世界には。
知られていない学校がたくさんある。

 

それに気づいていないだけだよ。

 

だから、センパイもいれば後輩もいる。
いろんないろーんな、バケモノたちのね。
それもあって。
学校生活は気楽で、たのしいものだった。

 

とある、身に降り掛かった事件を除いては。

 

 

わたしは、
「は、はい!」
頬を染めて、ヤギセンパイに返事をした。

 

授業が終わって、カナメイシちゃんと今日も帰ろうとしたところ。
声をかけられたんだ。

 

『ちょっと、話に付き合ってくれないか』

 

って……。

 

(がんばれ!)
カナメイシちゃんが、ひとつ目をウインク。そう背中でささやいいてから。
先に帰っていった。

 

そう。
予想通りと言うか、何と言うか。

 

こくられたー!!

 

わたしに。
こんなオオカミのわたしに、彼氏さんできちゃったよー!

 

めっちゃくちゃうれしかった。
カナメイシちゃんにはバレてたみたいだけど。

 

密かに思い、寄せてたんだよね。

 

うれしい……。

 

 

こくられて、お付き合いが始まって。
毎日がもっともっと、楽しくなった。

 

バケモノなりに、メイクに興味持って。
実践したりね。
ゴワゴワゾワゾワの体毛も。
気合い入れて、お手入れするようになった。

 

何気ないお話をして。
いっしょに笑い合って。

 

わたしは。
それだけで充分だった。

 

でも、センパイは。
そんなことなかったんだよね。
当たり前といえば、そうなのかもしれない。
わたしが、鈍かっただけなのかもしれない。

 

いまとなっては、もうわからないことだけれど。

 

 

その日のセンパイ。
ちょっといつもとは違う感じ、ではあった。
でもわたしは、それに触れることがこわくもあり。
何も聞かなかった。

 

言われるとおりに、センパイのあとに従って校内を歩いて。
空き教室に、ふたりして入ったんだ。

 

そうだよね。
――この時点で、気づくべきだったんだよ。

 

 

センパイは、いきなり。
わたしの身体を抱きしめてきて、何もわからないうちに、キスされた。

 

びっくりした。
って言うのが、正直なところ。

 

『おまえが、ほしい』

 

そう言われても、わたしはまだ何のことだかわかっていなかった。

 

「わ、わたし!?センパイのものだよ?」

 

思えば、おバカな返答をしたものだ。
火に油、じゃんね。

 

それを聞いたセンパイは。
わたしとは比べ物にならない、圧倒的な力量差で。
覆いかぶさってきたんだ。

 

そこでやっと、わたしは気づいた。

 

(これって、このまえ習った……)
おバカ、わたし。
遅すぎだよね。

 

 

もちろん、嫌がることも抵抗することも。
わたしにはできただろう。
儚いもの、蟷螂の斧ではあれ、ね。

 

だけど、自分の考えの至らなさに。
力も入らず、何もできなかったんだ。

 

センパイは、わたしの身体を触りまくり。
何回もキスされて。
胸を揉みしだかれ、下半身を執拗に攻められて。

 

冷酷で、残忍そうな笑みとともに、挿入(い)れてきた。

 

痛みは、ほとんどなかった。
ただ。
わたし自身の、足りない考えに自分で呆れていて。
何も考えられなかった、が正解かもしれない。

 

 

これが。
わたしの、初めての彼氏
初めての、生殖行為。

 

だったんだ。

 

 

なんで。
(なんで、思い出しちゃったんだろう)

 

ベッドに突っ伏したまま、わたしは涙を流していた。
おバカだなあ、わたし。

 

(えっちいこと、いくら好きだからって)

 

メランコリックにひたりたいなら、もっと他に方法があるだろうにね。

 

(王子……)
やさしい王子の顔が思い浮かぶ。

 

いつか、でいいから。
(いつか、わたしのこんなような話。聞いてね)
そして。

 

(できることならでいいです。わたしを、もらって。わたしを受け入れて……)

 

 

夢の中で。

王子はやわらかくそっと、微笑んでくれていた。

 

 

 

おしまい

王子・姫の学校生活

前に、

「学校の話を書くのですよー!」

とか言っていた覚えがありますが

こんなような感じのものを、王子・姫それぞれ

書いていったら面白いかな、と

 

次にどんなのを書くかは決めていませんが

王子の学校生活も楽しそうなので、近いうちに書いてみます

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました