進行現示まで1分30秒 (一次創作 詩026)
ゆったりと走っています
まあ、そんなに
急ぐ理由も見つかりませんし
どうしても早く目的地まで
到着したいとおっしゃるのなら
ボクは不向きなので
特別急行列車をご利用なさること
そちらをオススメしますよ
なんでそんなにやる気が無いんだ
ああ、顔に書いてございますね
では、ボクのひたいに当たる部分
種別幕をご覧ください
そうです
ボクは急行列車
快速列車よりは速いですが
特別急行列車には遠く及びません
なんせあちらは、「特別」ですから
ひがんでいるだろう
また、顔に出てございますよ
むーん、まあそれも多少はあります
ですがボクなりのプライドもありまして
この身体は、急行列車用として設計され造られました
ですから
できれば少々早めに移動したいけれど
「空気」も感じて車窓を眺めたい
そんなお客さまにピッタリなんですよ
あ、またお話しが長くなりましたね
こればかりはボクのクセでして
はい
改札はもう、開始してございます
あとは
出発信号の進行現示を待つのみです