創作全般よっこらしょ

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「寮の暮らしも悪くない」その1 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説

久々に連続小説

 

こんばんはー

毎日が頭痛の嵐の、ここまできたらもうどうにでもして好きにしてなともみです

いやいや、本当にキツいんですよ、頭痛

精査の結果、脳に異常は無かったんですが

消去法で行くと、中の子たち(内部人格さん)の活動によって頭痛が起きているのでは、つー

まあ、仕方がないですよね

 

さてさて

久しぶりに、しばらく続く小説を書いていきたいと思います

タイトル通りですけどねw

全部を書き終えていないので、なんともですけど

この先もお付き合いいただければ、とっても嬉しいです

 

では、始めてみましょか

よろしくお願いします!

 

寮の暮らしも悪くない その1

 

寮生活というのも、慣れてみればそんなに悪いものじゃない。
まあ、たしかに。プライバシーとか言うものは、皆無に等しいのかもしれないけれど。
わたしにそんな上等なものは、必要ないんじゃないかな。たぶんだけど。
実際のところ、ふたり部屋で当然ながらふたり生活。窮屈かもしれない、お互いに。
特に、相方ちゃんが、ニンゲンだから。
でも、だからこそ。思いやれる気持ちがあって、バケモノのわたしと仲良く暮らしてるよ。
あ。わたし、姫ッス。オオカミのバケモノの。
そのバケモノが、なんで寮生活、しかもどこの? と思われるかもだね。
ちゃんと話します、今から。

 

「合格だよ! おうじ!」
「うん! ボクもだよ!」
まだ風の冷たい春先、わたしと王子は、『城西高等学校』の合格発表を見に来てた。
城下町にある(西のほうね)、唯一の高校。そこにわたしたちは、揃って合格できたんだ。
バケモノが高等教育? ちっちっち、今の時代、バケモノも勉強に励むのさ。
バケモノに学校や試験が無かったのは、もう遠い昔のことなんだぜよ……。
王子がいまさら高等教育? ちっちっち、国と社会を知るには、早い遅い関係ないの。
つか、国王サマ(王子のとーちゃん)からの、命令だったんだけどね。
いわゆる、ご学友をたくさん作って、人脈を築けとのことらしいぜよ……。
んで。わたしはかんたんだから、
『おうじと高校生活ひゃっほい!』
って思ってたんだけど。
よくよく考えて、よくよく学校要覧とか読んだら。
い、いままでの魔女の森から通学とか。ただでさえいろいろと道が困難(ゲームプレイして確かめて)。
しかも時間がかかりすぎて、登校するころには下校時刻になってるよあはは笑えねえ。
ので。
寮に入ることにしました、わたしは。
王子は、お城から通学だよ? だって、学校の他にも帝王教育ゆーヤツが必要らしいからね。
まあそりゃ、不安もあるよ。魔女のはからいで、いつでも姫(ニンゲンの少女)に姿を変えられるとか。
これもまた魔女のはからいで、学費その他ぜんぶ出してくれるとか。
良き条件は、揃ってはいるけどね。でもなんせ、森の学校で中学校レベルまでは修了してるわたしでも。
高校の授業には、ついていけるのかどうかとか。
そもそも論で、寮生活なんてできるのかなわたし? ってのも大きい。
コミュ障じゃないと、自分では思うけど。スマイルを無料で売りまくる技術があるとは、とても思えないから。
だから。
入学手続きを魔女と終えて、寮に入ることを決めたとき。
期待と不安が入り混じったって、このことかぁ、なんて思ったね。

 

「述懐、お疲れさま」
「ありがとー」
そう言って、肩をいきなり揉み始めてくれたのは、同室のサフィー。名前の通り、サファイアみたいなキレイな目をしてる。
背はわたしよりも低くって、スミレに近い色の髪。笑うと子犬みたいな感じ。ころころした雰囲気が、同性のわたしが見ても、実にかわいい。
ついでに言うならば、胸もわたしよりはるかに大きくて、実にじつに羨ましい。いや、いらん情報かこれは。
もちろん、わたしがオオカミのバケモノだと言うことは、承知してくれてる。
一回、オオカミ姿に戻ったことがあるけど、
『うっわ。かわいい!! モテたでしょー!?』
って言われて。
(大丈夫かなこの子……)
と思ったね。
そんな、ちょっと(?)ヘンなルームメイトにも恵まれてか。寮の暮らしにも、少しずつ慣れてきた。
アレだね。住めば都、言うでしょ? ホントにそうだと思う。
「あー。それくらいで」
「いやいや、こってますよお客さん」
「なにか代償を要求されそう」
「バレてんのか、ちっ」
言ったと思ったら、ころころ笑ってる。――不思議ちゃんって、サフィーのことを指す言葉だな。
んでも、肩揉みのおかげで首が軽くなった。コキコキしてたら、軽やかなチャイムが流れていく。
「ごはんだ! メシだ! 食料だー!」
「だなあ、行くかー」
わたしはサフィーに答える。自分でごはん作らないでもいいって、すっごくラクだね。当然だが。
ふたりして廊下に出て、パタリコとドアを閉じる。他の寮生たちも、なんやかんや話しながら食堂へ向かっている。
さてさて。大いにごはんをいただいて。まだまだ成長期(と信じていたい)の心と身体を養いましょうか。

 

続きます

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いつかまた、あなたと手を取り合って