「ほんとうの」嘘つき姫と盲目王子 二次創作詩
なんて、なんてわたしはしあわせものなんだろう
こんなにも醜く、不格好なバケモノ
オオカミに似たバケモノなのに、あなたは
ありのままを受け入れてくれて、あまつさえ
「うたひめ」
って、言ってくれたね
ありがとう
このしあわせ、じっくりと噛みしめるわ
こんなわたしから、あなたに贈れるものは
不器用でへたくそな、ギザギザうた
それでも、背を合わせて聴き入ってくれている
抱きしめたい、いっぱいいっぱいに
ギュッて、ぬくもり分け合って
好きだとか、愛してるだとか
わたしにはよくわからない
ただひとつ言えるのは、このままずっと
あなたのたましいの、隣りにいたいと言うこと
これが愛情、ってやつなのかな
これが好き、なのかな
ねえ、おうじ
寿命の長さがまったくちがっても
わたしはずっと、あなたとともに生きていく
あなたを見送るときが来たとしても
わたしはあなたを、あなたの気持ちを思いを
この胸にしっかりと
いだいて生きていくわ
前に言ってくれたね
「ひめをひとりにするのだけが、心残り」
って
そんなことないんだよ
そんなこと、心配しないで良いんだよ
あなたと言う肉体が、たとえ滅び朽ちても
わたしはあなたを、ぜったいに感じ取ることができる
へへ
なんか語っちゃったけど
ずっとずっとあなたとは、いっしょだよ
もしね
わたしがさ？
あなたのひめであるように
あなたはわたしのおうじさま
変わることのない、変えることなどできない
運命、なんて言葉じゃ足りないくらい
きっとこれが真理ってやつかな
ほんとうのなかの、ほんとうのこと
おうじ、あいしてる
