創作全般よっこらしょ

二次創作とか、詩など 日常のことも (現在一部の記事に画像障害が発生しています)

姫のお料理講座

 こんばんはー

無事にカウンセリングを終えたものの

そのダメージを回復しきれていない、「やくそう」の必要なともみッス

 

二日連続になりますが

今回も、「嘘つき姫と盲目王子」の二次創作小説です

姫はちゃんと、ごはん作れるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

今日は雨降り。

私はお茶を飲みつつ、窓ガラスをつたい行く雨粒の流れを。

ぼんやり眺めてた。

 

王子?

最近、ちょっとお疲れ気味みたいで。

お昼寝してる。

 

無理もないか。

いま、こうして一緒にいられるのも。

王子の尽力があってこそ、だもんね。

ふー。

 

もひとつため息、ふー。

 

(そだ!)

私は、天啓を得たようにひらめいたんだ。

(今夜は私が、お料理作ろう!)

うんうん。

我ながら、なんと言う良きアイデア

(ごはんできてるよー)

って、声かけてさ。

(あ、その前にお風呂?それとも……)

きゃーぎゃー!

 

言えねえズラ!

(私を食べちゃう?)

なんて、とても言えねえズラ!!

 

まー、それはともかく。

私は王子がきちんと整えている、お台所に入った。

 

あ。

しばし待て。

(火、使う、よね?)

 

私のもともとは、森のバケモノオオカミ。

火は、苦手中の苦手でござる。

 

うーわ、どうしたもんかな。

 

でも、せっかくここまで決心したこと。

きびすを返すわけにもいかない。

 

(やってみよう!)

私は力強くうなずいて、片手鍋にお水を入れ始めたんだ。

 

 

 

「おいしいよ、姫の半熟卵」

「ううぅぅ」

「泣かないでよー。嬉しいよ?」

 

一番簡単とまで言われている、ゆで卵。

それすら作れず。

と言うか、火への恐怖が限界に達して。

茹で上がるまで、卵をお湯にかけてられなかったんだ。

 

「――ほんとう?」

ちょっと上目遣い。

「うん。ほら、姫も食べようよ」

「う、うん……」

 

はじめて作った、茹で上がらない半熟卵は。

 

どこかに涙のほろ苦さを隠していたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

おしまい

 

 

 

 

 

 

 

と言うわけで、姫のお料理は

予定通り、失敗なのでした。

 

公式さんのツイートでも

姫の、炎の苦手さがよく描かれています

こんな姫は、いかがでしたでしょうか?

 

いつも通り、〆は「嘘つき姫と盲目王子」です

やきいもに苦戦している姫、かわいすぎる

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最後までお読みいただき、ありがとうございました