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「寮の暮らしも悪くない」その4 嘘つき姫と盲目王子 二次創作小説

寮の暮らしも悪くない その4

 

放課後。今日もいろんな授業で疲れたー。おんなじクラスの王子は、合唱部。朝言ったとおり、カナメちゃんは文芸部。わたしとサフィーは帰宅部だ。ガーネットはとなりのクラス。おなじく部活はやってない。
スクバに教科書とノートなどを詰めつめ。王子が他のクラスの女子に囲まれてるけど、気にならない気にしない。いやウソ、気になるよ? でも、王子のこと信じてるもん。ほら、群がってるメスども(ひどいw)へにこやかに手を振って、わたしのほうに来てくれた。
「帰ろう、姫?」
「うん。え、部活は?」
「今日、おやすみ」
「そっか。じゃ、いっしょに帰る!」
すまないね、メスども(しつこいw)。王子はやはり、わたしのとなりが心地よいようだよ、ふふふ。
なんてことを、当たり前だけど口には出さず。王子と仲良く昇降口を抜けた。そばにある第一グラウンドで、野球部さんが大声あげて練習中。でも、帰宅部も多いな。アレだねえ、ラノベなんかだと化学棟のどっかの教室から、爆発音が聞こえてくるんだろうけど。残念ながらそんなことはなかった。偏見ですか? ここ、ラノベの世界じゃないからなあ。どっかから転生してくる少年もいないみたいだしね。
「もうじき試験、始まっちゃうね」
「うん。でも王子なら楽勝でしょ?」
「だといいなあ。世界史とか地理とかなら、すごい自信あるけど」
「自信のある教科がふたつもあるだけで、尊敬モノだよ」
「姫は?」
「聞かないでよぅ」
ちょっとだけすねた感じで、王子の左手をつかむ。自然に王子も、手を握ってくれた。小さなことでも嬉しくなる。
「開こっか」
「なにを?」
「勉強会。その、ボクの部屋で」
「いいの?」
「もちろん。だって、寮の中には入れないからなあ、ボク」
それもそうだよね。王子だからって、女子の寮に入れたら。みんな王子を目指しちゃう(?)。でも、こうして誘ってくれて。これはわたしも、勉強がんばらなきゃ。
「今度さ、寮のお友だちといっしょに。あそぼ? カナメちゃんも入れてさ。あ、もちろん試験休みに入ったら、だけど」
「ボクもいいの?」
「うん! たくさん紹介したいの、王子のこと」
「わかった。自信ないけどがんばるよ」
「あれー。これには自信ないんだ?」
ちょこっとふざけて、わたしは言った。
「だだだだって。姫以外の、その、女子と……。話せるかな……」
かわいいなぁおい! さっきまでにこやかに、女子どもと交流してたじゃん。
「だいじょぶだよ。いつもの王子で」
「う、うん。がんばります」
んもう、すっごい愛おしく思えて。校門を出たから、思い切って腕を組んじゃった。びっくりしたみたいだけど、ちゃんと王子も組んでくれてる。
「ありがとう」
「ん?」
「いつも気にかけてくれて。いつもいっしょにいてくれて」
「ボクは姫だけの王子だもん」
「へへー。わたしも! 王子だけの姫、だよ?」
「うん!」

 

心配していた高校のこと。寮での生活。お友だちのこと。
そして、なにより。
王子のこと。
全部がぜんぶ、みんなうまく進んでいくなんて。思ってはいないけれど。こうやって時間を過ごしていければ、きっと、後悔のない、んーん。後悔の少ない高校生活が送れるんだよね。
だから、わたしも。精一杯毎日を過ごそう、愛でよう。
王子がいてくれるんだもん。ありきたりだけれど、怖いものなんてあるもんか!

 

おしまい

 

完結できました

 

こんばんはー

とにかく書き上げられたなあと、小さい胸を撫で下ろしているともみでっす

いままで、けっこういろんな姫王子を書いてきましたが、この高校生活が舞台になっているのは、合同誌に書いた設定を、そのまま使ったものなんです

あのふたりだったら、こんな生活を送るのかなあなんて

そんなことを考えていたので、楽しく書けました

あ、サフィーとガーネット(と言う名前)は、ジュエルペット」からの友情出演です

友情なのかはわかんないけどw

また、こんなような続き物のおはなし、書いていきたいと思います

しばらくは、詩とかになると思いますけどね

 

ではでは

また別の創作作品でー

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向かい合って、お話しできて、噛みしめるしあわせ

おしまいまでお読みくださり、ありがとうございました